こんにちは、タナカ企画の田中です。
今日もインサイドセールスに奮闘されていらっしゃるご担当者様、お疲れ様でございます。
本日は、IS経由で設定した検討の土台にない商談において、最後に何を伝えるべきかについて書かせていただきます。
問い合わせから始まった商談と、こちらから新規アプローチして設定した商談では、相手の温度感が異なります。
にもかかわらず、同じようにクロージングをしてしまうと、営業側だけが前のめりになり、相手との間に大きなズレが生まれてしまうことがあります。
というわけで本日は、まだ検討の土台に上がっていないIS商談で、最後に何を残すべきかについて解説させていただきます!
どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いいたします!
IS経由の商談は、問い合わせ商談とは前提が違う

まず前提として、問い合わせから始まる商談と、インサイドセールスから新規アプローチして設定した商談は、まったく別物として考えた方が良いです。
問い合わせ商談の場合、相手はすでに何らかの課題を感じており、自らサービスを探している状態です。
「この課題を解決したい」
「良い会社があれば相談したい」
「費用感を知りたい」
「いくつか比較して検討したい」
このように、すでに相手の中で課題感が出ていたり、社内で検討が始まっていたり、予算や導入時期を考え始めているケースが多いと思います。
つまり、問い合わせ商談は、初回からある程度「検討商談」として進めやすい状態です。
もちろん温度感に差はありますが、少なくとも相手が自分から情報を取りに来ているため、営業側としても次の提案や見積もりの話に進めやすいことが多いです。
新規アプローチの商談は、まだ検討の土台に上がっていない
一方で、新規アプローチの場合は違います。
相手は自らサービスを探していたわけではありません。
こちらから「一度お話を聞いていただけませんか」とお願いし、時間をいただいている状態です。
そのため、初回商談の時点では、相手の中で課題や予算、導入時期が整理されていないことがよくあります。
そもそも社内の検討土台にも上がっていないことが多いのです。
この状態で、問い合わせ商談と同じようにクロージングしようとすると、営業側と相手側の温度感にズレが生まれます。
営業側は「ぜひ検討してください」と思っている。
しかし相手側は「まだそこまで考えていない」と感じている。
このズレを理解せずに商談を進めてしまうと、営業側だけが前のめりになってしまい、相手からすると少し重たく感じられてしまうことがあります。
だからこそ、IS経由の初回商談では、いきなり受注や具体的な検討を求めすぎないことが大切だと考えています。
初回商談のゴールは、今すぐの受注だけではない

まだ検討の土台に上がっていない相手に対して、初回商談だけで受注や具体的な検討を求めるのは、難しい確率が高いです。
もちろん、その場で前向きな話になることもあります。
タイミングが良ければ、ちょうど相手の会社で課題が出ていて、すぐに次回商談や見積もりの話に進むこともあるでしょう。
しかし、多くの場合、初回商談の目的はその場で結論を出してもらうことではありません。
むしろ大事なのは、
・自分が何をしている人なのかを知ってもらう
・相手が将来困った時に思い出してもらう
・次に連絡できる関係を残す
この3つです。
今すぐの受注可能性だけで商談を判断してしまうと、将来顧客になる相手まで失注扱いしてしまいます。
今は必要なくても、半年後に必要になるかもしれません。
今は予算がなくても、来期の方針で新規営業に力を入れることになるかもしれません。
今は人員が足りていても、インサイドセールスのメンバーが退職して、急にリソースが足りなくなるかもしれません。
つまり、今この瞬間に検討していないからといって、その企業様が将来のお客様にならないとは限らないのです。
だからこそ、初回商談では「今すぐ契約してもらう」よりも、「未来の相談先として残る」ことを意識した方が良いと考えています。
1時間を1回よりも、30分を2回
この記事で特にお伝えしたい考え方の一つが、
「1時間の商談を1回行うよりも、30分の商談を2回行う方がよい」
ということです。
営業では、合計で何分話したかよりも、何回接触したかの方が重要になることがあります。
たとえば、1回の商談で1時間かけて、サービス内容、実績、料金、事例、支援体制まで丁寧に説明したとします。
営業側としては、しっかり説明できた感覚があるかもしれません。
しかし、その後半年間まったく連絡を取らなければ、相手の記憶からは徐々に薄れてしまいます。
一方で、30分程度の接点を複数回作ることができれば、
・何度か話したことがある
・定期的に自社のことを考えてくれている
・何かあれば相談できそう
という印象を残しやすくなります。
単純接触効果という言葉もありますが、難しい理論の話ではなく、営業現場では本当にこの感覚があります。
一度だけ長く話した人より、短くても何度か話した人の方が、相手の中に残りやすいのです。
商談では、毎回100%を説明し切らなくていい
だからこそ私は、初回商談で全てを伝え切ろうとしすぎなくても良いと考えています。
むしろ、毎回100%を説明し切ろうとすると、情報量が多くなりすぎて、かえって相手の印象に残らないことがあります。
サービス内容、実績、料金、事例、支援体制、過去の成果、他社との違い。
営業側としては、せっかく時間をもらったのだから全部伝えたい。
その気持ちはとてもよく分かります。
ただ、相手がまだ検討段階ではない場合、すべてを説明しても、すべてを覚えてもらえるわけではありません。
むしろ情報が多すぎて、結局「何の人だったのか」が残らないこともあります。
そのため、毎回100%を説明するのではなく、あえて60%程度で終えるという考え方も必要です。
これは、情報を意図的に隠したり、出し惜しみしたりするという意味ではありません。
相手がまだ必要としていない情報まで一度に伝えず、次に話せるテーマや余白を残しておくということです。
1回目、2回目、3回目と接点をつなぎながら、相手の状況に合わせて段階的に話していく。
この方が、結果的に相手の中に残りやすくなると感じています。
商談の最後に残すべきことは、実は2つだけ

では、まだ検討段階ではない相手に対して、商談の最後に何を伝えるべきなのか。
私は大きく2つだと考えています。
1つ目は、どのような状況になった時に、連絡してほしいか。
2つ目は、その時、どの程度の金額で依頼できるか。
つまり、
「あなたが私を必要とするタイミング」と
「その際に必要となる金額」
この2つを相手の頭に残しておくことが重要です。
検討段階ではない相手に、細かな機能や支援内容をすべて覚えてもらう必要はありません。
将来ニーズが発生した時に、自分へ連絡する理由と判断材料を残しておくことが大切です。
「何かあればご連絡ください」では、連絡は来ない
商談の最後によく、「また何かございましたらご連絡ください」
と伝えることがあります。
もちろん、悪い言葉ではありません。
ただ、これだけでは弱いです。
相手からすると、「何か」が何を指すのか分かりません。
半年後に社内で課題が発生しても、その課題と営業担当者のサービスが結びつかなければ、思い出してもらえません。
だからこそ、どのような社内状況や出来事が起きた時に相談してほしいのかを、具体的に伝える必要があります。
「何かあれば」ではなく、
「こういうことが起きたら、私に連絡してください」と伝えるのです。
私なら「こういう時に連絡してください」と伝える
例えば、私の営業支援サービスであれば、商談の最後にこのように伝えます。
「インサイドセールスのメンバーが退職して、急に人手が足りなくなった時」
「会社として新規アポイントを増やそうという方針になった時」
「新規営業を始めたいが、社内にノウハウやリソースがない時」
「展示会後のリードを追い切れなくなった時」
こういう時には、すぐに私へ連絡してください、と伝えています。
ここで大事なのは、サービスの機能を説明することではありません。
相手の会社で今後起こり得る出来事と、自分のサービスを結びつけることです。
半年後にその状況が実際に発生した時、
「そういえば田中さんが、こういう時に連絡してくださいと言っていた」
と思い出してもらうことを狙っています。
金額は初回商談でもしっかり伝える
そしてもう一つ、金額も初回商談でしっかり伝えておいた方が良いです。
まだ具体的な検討段階ではなかったとしても、金額感が残っているかどうかは、半年後の連絡のしやすさに関わります。
なぜなら、半年後にニーズが発生した時、相手が連絡する前に考えるのは、
・自社でも依頼できる金額なのか
・どの程度の予算を確保すればよいのか
・小さく始められるのか
という点だからです。
料金がまったく分からないと、「高そうだからやめておこう」
と、連絡自体をためらわれる可能性があります。
例えば、
「月額10万円程度から相談できます」
「この内容であれば月額30万円前後です」
「まずは2か月から始められます」
といった、おおよその金額感を伝えておくだけでも、相手の中に判断材料が残ります。
もちろん、初回商談で細かな見積もりを出す必要はありません。
大切なのは、相談可能な予算感を残しておくことです。
半年後に連絡をもらうことから逆算する

半年後や1年後に相手から連絡をもらうことを想定した場合、初回商談で残すべき情報はかなり絞られます。
半年後に相手が覚えているのは、商談で話した細かな説明ではありません。
残りやすいのは、
・何をしてくれる人だったか
・どんな時に連絡すればよいか
・いくらくらいで頼めるか
・相談しやすそうな人だったか
といった大枠の印象です。
つまり、未来の相手が思い出しやすい情報に絞って伝えることが重要です。
その場で完璧に理解してもらうことよりも、必要になった時に思い出してもらえること。
ここをゴールに置くと、商談の最後に伝えるべき内容も変わってきます。
議事録を共有しても、結局もう一度説明することになる
商談後に議事録や資料を共有すること自体は、とても重要です。
ただし、それを過信しすぎてはいけません。
半年後にニーズが発生した相手が、過去の議事録をすべて読み返してから連絡してくるとは限りません。
むしろ多くの場合は、再度アポイントを設定して、
「以前もお話ししましたが、改めて説明します」という流れになります。
であれば、初回商談ですべてを完璧に理解してもらおうとしなくても良いのです。
細部を残すよりも、自分の役割と相談タイミングを印象づけること。
これが初回商談では大切だと考えています。
本当の失注は、今すぐ契約にならないことではない
商談における本当の失注とは何か。
私は、初回商談で契約にならないことや、まだ検討時期ではないことは、失注ではないと思っています。
本当の失注は、「もう一度こちらから連絡できない関係になること」です。
例えば、
・強引にクロージングして嫌われる
・相手の温度感を無視して長時間説明する
・今は不要と言われたことで連絡をやめる
・次に連絡する理由を残さず商談を終える
このような状態になってしまうことです。
今すぐ受注できなくても、次回の接点が残っていれば、商談はまだ続いています。
営業側が勝手に終わらせてしまわないことが大切です。
商談は必ず「次へのステップ」を残して終える
特に新規アプローチの商談では、こちらからお願いして相手に話を聞いてもらっているという前提があります。
だからこそ、初回から結論を迫るのではなく、次へのステップを残すことが重要です。
例えば、
・3か月後に状況確認の連絡をする
・関連する事例ができたら共有する
・相手の繁忙期が終わった頃に連絡する
・社内方針が変わった際に声をかけてもらう
・次回は別のテーマで30分だけ話す
こういった形です。
「また連絡します」だけではなく、いつ、何を理由に連絡するかまで決められると理想的です。
次に連絡する理由があるだけで、関係は切れにくくなります。
ニーズが生まれた瞬間に、第一候補になるために

昔、営業の師匠から教わった考え方で、私が今でも大切にしているものがあります。
それが、「後ろを振り返れば田中がいる作戦」です。
少しふざけた表現に聞こえるかもしれませんが、私はかなり本気で大事にしています。
これは、頻繁に連絡して相手を追い回すという意味ではありません。
相手が営業課題を感じた時、採用に困った時、新規アポイントを増やしたいと思った時に、振り返ると、
「そういえば田中さんがいた」と思い出してもらえる状態を作ることです。
そのためには、定期的に接点を持ち、相手に役立つ情報を届ける必要があります。
売り込みではなく、「熱心に自社のことを考えてくれている人がいる」
という印象を残すこと。
これが、未来の商談につながっていきます。
困った瞬間に「まず田中さんに聞いてみよう」と思ってもらう
営業で重要なのは、相手のニーズが顕在化した瞬間に、自分の名前が最初に浮かぶことです。
相手が困ってから営業会社を検索し、複数社を比較し始める前に、
「まず田中さんに聞いてみよう」
と思ってもらえれば、競合より一歩先に進めます。
価格が最も安いことや、サービス説明が最も詳しいことだけが、受注の決め手ではありません。
もちろん、価格もサービス内容も大切です。
しかし、それ以前に、ニーズが生まれた瞬間に第一想起の存在になれているか。
ここが非常に重要です。
未来の自分を楽にする営業とは

問い合わせを獲得し、その場でクロージングすることは、営業の王道です。
一方で、今は受注にならない相手との関係を丁寧につなぐことも、将来の売上を作る重要な営業活動です。
半年後や1年後に、「以前お話しした件で相談したいです」という連絡が増えていけば、毎回ゼロから新規顧客を探す必要は少しずつ減っていきます。
今すぐ受注にならない商談をどう終えるか。
どんな言葉を最後に残すか。
どんな理由で次の接点を作るか。
未来の商談や受注は、今の商談をどう終えるかによって作られます。
だからこそ、まだ検討の土台にも上がっていないIS商談では、焦ってクロージングするのではなく、
「どんな時に連絡してほしいか」
「その時いくらくらいで相談できるか」
この2つをしっかり残して終えることが大切だと考えています。
まとめ
IS経由の商談では、相手がまだサービスを探していない、課題も予算も整理されていないということがよくあります。
その状態で初回から受注を求めすぎると、営業側と相手側の温度感にズレが生まれてしまいます。
大切なのは、その場で契約してもらうことだけではありません。
未来に困った時、思い出してもらえる存在になることです。
そのために、商談の最後には、
「こういう時に連絡してください」
「このくらいの金額から相談できます」
と、相手が思い出しやすい情報を残しておく。
そして、次に連絡できる理由を残しておく。
それだけで、半年後や1年後の商談の生まれ方は大きく変わると思っています。
もし現在、IS商談後の追客や、初回商談の終わり方に悩んでいる方がいらっしゃれば、この記事が少しでも参考になれば幸いでございます。