いきなりですが、先日の「第2回 営業・マーケDXPO 名古屋’26」にて、タナカ企画のブースに大谷翔平に似た人、通称「大谷似翔平」さんに立っていただきました。
以前のnoteで「展示会で大谷翔平に似た人をブースに立たせたら、人は足をとめるのか?」という、少しふざけているように見える実験をすると書きました。
今回はその検証結果です。
結論から言うと、かなり効果がありました。
ただし、ただ有名人に似た人を置けばいいという単純な話でもありませんでした。やってみて初めて分かったことが、たくさんありました。
まず、何がよかったのか
一番大きかったのは、普段であればブースに来なさうな方々が、足をとめてくださったことです。
展示会場では、来場者の方々は基本的に忙しく歩いています。その中で「テレアポ代行です」「インサイドセールス支援です」というブースは、どうしても似たように見えてしまい、パッと見での差別化が難しいのが現実です。
ところが、ブースに大谷翔平選手に似た人が立っていると、明らかに反応が変わりました。
通り過ぎようとした方が、思わず二度見する。少し笑う。近くの方に「あれ見て」と言う。

こちらから強く声をかける前に、来場者の方が少し笑顔になっている。これは、展示会でのファーストコンタクトにおいて大きいことだと感じました。
写真を撮るときは、あえて会社名とキャッチコピーが入るようにした
今回、通りがかった方が大谷似さんに気づいて、写真を撮りたそうにされる場面が何度もありました。
そのときに、ただ見守るのではなく、こちらから「よろしければ、お写真お撮りしましょうか?」とお声がけするようにしました。

そして、撮るときには少しだけ立ち位置を調整して、タナカ企画のキャッチコピーや会社名が自然に入るようにしました。これは小さなことですが、大事だったと思います。
大谷似さんだけが写っている写真であれば「あの人、面白かったな」で終わってしまいます。でも、そこに会社名が入っていれば、「あの大谷さんっぽい人がいた、オレンジ色のタナカ企画という会社」として後からも記憶に残ります。
少しセコいようで、大事なことだと思っています。展示会は、名刺交換だけではなく、記憶に残ることも成果の一つです。だからこそ、写真を撮るならちゃんと会社名も一緒に持ち帰ってもらう。ここまで含めて、展示会設計だと感じました。
会話の入り口が圧倒的にやわらかくなった
通常、展示会では「どのようなサービスをお探しですか?」といった会話から入ることが多いですが、相手からするといきなり営業される感じが出てしまうこともあります。
今回は、来場者の方が先に笑っていて、こちらも自然に話しかけられる状態でした。
「大谷さんの営業代行なので……」と話すと、「あ〜、なるほど(笑)」と、すぐに空気がほぐれます。
営業代行会社が、大谷さんっぽい人をブースに立たせているという構図そのものが、説明のきっかけになりました。サービス説明の前に、空気がほぐれる。これは営業現場では重要です。
リード数は約1.5倍に

数字としても、リード数は通常時の約1.5倍になりました。
もちろん展示会の条件は毎回違うので、すべてが大谷似さん効果だったとは言い切れません。ただ、現場感としては明らかにブース前の滞留が増えました。
普段なら通り過ぎていた方が足をとめる。足をとめた方と会話が生まれる。会話が生まれるから、リードにつながる。この流れは、分かりやすく起きていました。
改善点:横にツッコミ役が必要だった

一方で、すぐに気がついた改善点もありました。それは「横にツッコミ役・エスコート役が必要だ」ということです。
大谷似さんが立っているだけでも目立ちますが、そこから会話に変えるには、誰かが横でうまく拾う必要があります。
来場者の方が「あれ、大谷さん?」という顔をした瞬間に、「実は営業代行の大谷です」と入る人がいるかどうか。写真を撮りたそうにしている方に、自然に案内できるかどうか。
展示会で目立つ仕掛けを入れる場合、目立つ人と、それを商談導線につなげる人は別で設計した方がいい。これは今回の大きな学びでした。
その土地の文化との相性も大事
もう一つ感じたのは、その土地で受け入れられる文脈があるかどうかです。
今回は名古屋でした。名古屋には天下の中日ドラゴンズ様がありますし、今回の展示会はWBC2026の熱量も残るタイミングでした。野球という共通言語があったからこそ、自然に受け入れられた感覚があります。
たとえば福岡であればソフトバンクホークスの文脈が、大阪であれば阪神タイガースや大阪らしいツッコミ文化の方が相性がいいかもしれません。展示会で人を惹きつけるには、全国共通の有名さだけでなく、その土地にある文化や空気に合っているかも大事だと感じました。
これは営業でも同じですよね。どの地域でも、どの業界でも、同じトークが通用するわけではありません。少しずつ見せ方を変える必要があります。
あと明らかにサッカー派の方にはウケがあまりよくなかったかもしれません。。。
出展者側にも覚えてもらえた
意外と大きかったのが、来場者だけでなく、他の出展者の方々にも覚えてもらえたことです。
「ブースに大谷さんがいるって聞いて来ました」と言ってくださる方もいました。
隣のブース、向かいのブース、休憩中の会話で「あそこ面白いよ」と言ってもらえると、自然と人が流れてきます。展示会場の中で、ブースそのものが小さな話題になる。これは広告費をかけても簡単には作れない状態だと思います。
出展者の方も十分にお客様になりうる弊社にとって、いやらしくない接点の作り方ができました。
一番驚いたこと:大谷似さんがヒアリングを始めた

今回、個人的に一番驚いたのは、2日目のことです。
大谷似さんが、私たちがお客様にしているヒアリングを聞いて、途中からそれを真似し始めました。
「どんな事業をされているんですか?」
「今はどういう営業をされているんですか?」と、自然に聞いていました。
初日の段階で、彼はブースの中で行われている会話や、周りのメンバーの説明にしっかり耳を傾けていたのだと思います。こちらが何を聞いて、どんな流れで会話を進めているのか。それを見ながら理解し、2日目には自分の中で再現していました。
これを見たときに、改めて思いました。「モノマネが上手い人は、仕事が上手い」と。
相手をよく観察し、特徴をつかみ、空気を読み、タイミングを合わせて再現する。これは営業にも近い能力です。
さらに、初日は集合時間の1時間前に現地入り、仕事終わりには周りのブースに帽子を取って一礼して帰っていきました。見た目が似ているだけでなく、仕事への向き合い方も大谷さんでプロフェッショナルでした。
展示会は「説明」より前に「ファーストインプレッション」がある
今回の実験で改めて感じたのは、展示会ではサービス説明の前に「あれ?」「面白い」「なんか気になる」という人間ならではの感情の動きがあるということです。この小さな感情の動きがなければ、説明の機会すら生まれません。
一言でまとめるなら、展示会には「覚えてもらう理由」が必要です。
名刺交換をしても思い出してもらえなければ意味がありませんが、「あの大谷さんっぽい人がいた、タナカ企画という会社」という記憶を作れたのは大きな成功でした。
外から見ると少しふざけて見えるかもしれませんが、やっていること自体は「どうすれば足をとめてくれて、会話が始まり、会社名を覚えてもらえるか」を検証する、真面目なマーケティングでした。
最後に:これってもしかして、ハブになれていたのかもしれない
今回の展示会を終えて、ふと思ったことがあります。
これってもしかして、少しだけ「未来を創造する企業のハブ」になれていたのではないか、と。(ニヤリ)
タナカ企画は、営業支援会社として「未来を創造する企業のハブとなる」ことを大事にしています。
今回の展示会では、大谷似翔平さんをきっかけに、来場者の方、他の出展者の方、主催者の方、そして私たちがつながり、そこから会話や笑顔が生まれました。
ただ目立ったという話ではなく、人と人の接点をつくることができた。「あの会社は何か人をつなげている」と思ってもらえることも、展示会に出る意味の一つだと感じました。
展示会は、ただ資料を配る場所ではありません。人がいて、偶然の出会いがあり、会話が生まれる場所です。だからこそ、少し変わった仕掛けにも意味があります。
これからもタナカ企画は、正攻法だけをなぞるのではなく、少し視点をずらしながら可能性を試していきたいと思っています。
展示会でお会いした皆さま、ありがとうございました。
「そして、翔平、本当にありがとうね。」(K・H監督風)
